大唐見聞録 10話あらすじ
【登場人物】
雲燁(うんよう) 藍田県男、許嫁の小冉(しょうぜん)が忘れられないでいる
李安瀾(りあんらん) 長公主、雲不器(雲燁)の許嫁の小冉と瓜二つ、雲燁のことが好き
小冉(しょうぜん) 現代の雲不器(うんふき)の許嫁だった女性
李承乾(りしょうけん) 皇太子殿下、辛月のことが好き
李泰(りたい) =魏王、承乾の弟、真面目な性格
盧辛月(しんげつ) 盧寿の孫娘、山東貴族
程処黙(ていしょぼく) 承乾の友、程将軍の息子
長孫沖(ちょうそんちゅう) 承乾の友、長孫無忌の息子
魏徴(ぎちょう) 宰相だが、門番に命じられた
長孫皇后(ちょうそんこうごう) 賢く優しい皇后、雲燁の師匠
盧寿(ろじゅ) 山東一派の長、辛月の祖父、頑固な性格で李世民のことを非難している
李綱(りこう) 皇太子殿下の先生、盧寿の弟子
田若蘭(でんじゃくらん) 安瀾の母、李世民が即位する前に愛していた女性
【あらすじ】
~長安の灯篭祭り~
処黙と長孫沖は、突然現れた李泰を黙らせ、邪魔をされないように縄で体を縛り付ける。二人はあらかじめ用意していた仕掛けを始める。
夜空に大きな月のような丸い気球が現れ、そこに雲燁が作った仕掛け文字が映しだされる。その文字には、承乾が辛月に捧げる歌が綴ってある。
民が見ている前で承乾は辛月に告白した。
二階から二人の様子を見ている雲燁は安瀾に、この歌は許嫁の小冉(しょうぜん)が 生前 愛した歌だ・・と言う。何年たっても彼女のことを忘れることができないでいる雲燁は、遠くをじっと見つめ彼女を思い出している。
<回想>・・雨の降る夜の山道で、現代の雲不器(雲燁)が車を運転し、助手席には許嫁の小冉が乗っている。彼女は一本の簪を見て不思議がる。『遺跡発掘隊が見つけた唐の時代のものをまねて作ったのに、ダイヤがついてるわ』と。
小冉はその簪を雲燁に渡し、結婚の記念にしようと提案する。雲不器(雲燁)は簪を持ち、楽しくお喋りしながら運転し、よそ見をしたその時、車が山肌に激突。とっさにハンドルを切るが、車は崖下へと落ちていった・・許嫁の小冉はその事故で数年前に亡くなってしまったのだ・・
許嫁の彼女が亡くなっていたことを知った安瀾は、自分が大切に持っている玩具を取り出し雲燁に見せる。これは母の形見で、母のことを思う時、嫌なことがあった時、何度も遊ぶのだと説明する。寂しそうな表情をしている雲燁を慰めようと、安瀾はその玩具を貸してあげる、と言って雲燁に渡した。
雲燁はそれを受け取り、じっと彼女を見つめる。彼女の瞳の中にあたたかい優しさを感じた。
承乾と辛月の二人がお互いの気持ちを確かめ合い、皆から祝福されているところに、兵士達と、今は門番に命じられている魏徴がやって来た。
魏徴は、民の前で公然と愛や情を語るなど、皇家の尊厳と面目は丸つぶれだと怒り心頭で、承乾を激しく非難する。承乾、雲燁、処黙、長孫沖、さらに李泰までもが捕えられ罰を受けた。
~陛下の部屋~
承乾、安瀾、雲燁の3人が陛下と皇后の前で立っている。
民の前で、皇太子である承乾がみだらな行為をしたことが許せない陛下は、承乾を叱りつける。ひとしきり注意をして、中秋節のためこれ以上は咎めないと言って、三人を退室させた。
陛下は、承乾の思い人が盧寿の孫娘の辛月と知り、山東貴族であることに懸念を示す。一方皇后は、山東貴族と姻戚になれば、確執打開と承乾の望みも叶い一石二鳥なのでは?と言う。ところが山東貴族で頑固な盧寿に頭を下げるのだけは我慢できない陛下は、この結婚は避けようと皇后に言った。
さらに皇后は、安瀾はどうやら雲燁のことが好きなようで、灯篭祭りで二人が一緒に居たという話もした。
~盧寿の屋敷~
李綱が盧寿に、皇太子殿下より預かっていた贈り物を渡しにやって来た。銘茶・月餅・王羲之(おうぎし)の書簡で、陛下も同意の上での贈り物であることを伝えると、盧寿は快く受け取った。
盧寿・辛月・李綱の三人で皇太子殿下の話をしている際、辛月が灯篭祭りの件を思い出し微笑み、殿下が魏のおじさまから罰を受けて・・と口走ってしまう。訳を知らない盧寿がどうしたのかと聞いてきた。李綱は、 魏宰相は今城門を守っていて・・ と助け船を出す。
ところが盧寿は、一国の宰相が門番をしている事実に激怒し、李綱にどういうことか説明せよと語気を荒げた。
陛下、皇后、安瀾、承乾、泰、そして皇后の命で雲燁も、中秋節のおい祝いで太上皇の部屋に集まった。
安瀾が太上皇に挨拶をし、手作りの菓子を全員に振舞う。太上皇は初めて見る菓子だが美味しいと言って喜んで食べている。この菓子の名前は、玉露糕(ぎょくろこう)だと安瀾が説明すると、陛下は、安瀾の母である田若蘭と一緒に作って食べた時のことを思い出し感傷に浸った。
続いて雲燁が太上皇に挨拶をし、木彫り職人に作らせた麻雀牌を贈る。
太上皇、陛下、皇后、雲燁の四人で麻雀を始める。雲燁が勝負に勝ち、陛下と皇后から金子(きんす)を受け取る。太上皇からも金子を受け取ろうとすると、皆が怪訝な顔をしたため、雲燁はあれが欲しいと言って尿瓶を指さし皆を笑わせ、場を和ませた。
その後は、太上皇、陛下、承乾、安瀾の四人で麻雀を始めるが、皆は申し合わせて太上皇を勝たせ、上機嫌な様子を見て、互いに笑いあって喜んだ。
雲燁の麻雀のおかげで、家族団らんの楽しい中秋節を過ごすことができた。
【ポイント】
雲燁の許嫁の真相が明らかになりました。雲燁が運転していた車の事故で亡くなっていたんですね。次こそは何としてでも小冉に似た安瀾を守りたい、と言う気持ちが雲燁は強いようです。
安瀾から母の形見の玩具を借りていましたが、その後しばらくして雲燁はそれを安瀾に返そうとしました。でも安瀾は私の厚意を無にしないで、一旦出したものは受け取らないと拒否をします。雲燁はその安瀾の形見の玩具をまた大切そうに懐にしまいこむんですね。この時の二人のやり取りは”二人だけの秘密感”が満載で見ていて嬉しくなってきます。
安瀾はツンデレ、雲燁はちょっとお調子者の一途なタイプです。雲燁(雲不器)役の ワンティエンチェン 王天辰 さんは、『孤高の花』の番麓役でも出演していましたが、この時もお調子者の役どころでしたね。
玉露糕(ぎょくろこう)というスイーツが出てきました。
白いプルプルとした杏仁豆腐?のように見えました。が調べてみると、
玉露(ユーロー)は中国語で”美しい露”、糕(コウ)は、米粉・小麦粉・豆粉などで作った塊状または板状の菓子の意味です。蒸して温かい豆腐のような形のやわらかい菓子に、冷たい練乳をかけて食べるようです。木犀(もくせい)もかけてあったので、香りも良いんでしょうね。かなり気になる味です。
辛月は余計なことを口走ってしまいます。せっかく盧寿と皇太子殿下に信頼関係ができつつあり、その流れから陛下とも良い関係に変化しそうな兆しが見えてきたのに・・・また逆戻りしてしまいました。盧寿は宰相の魏徴を門番につけた陛下が許せない!!と怒り心頭です。この後は、この盧寿と陛下の争い?がヒートアップしてきます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
以降もお楽しみに