大唐見聞録 14話あらすじ
【登場人物】
雲燁(うんよう)、安瀾(あんらん)、李世民(りせいみん)、長孫皇后(ちょうそんこうごう)、李承乾(りしょうけん)、盧辛月(ろしんげつ)
以上の6人の紹介は省きます。11話までを参照ください。
小冉(しょうぜん) 雲燁(現代の雲不器)の許嫁、すでに亡くなっている
カシド 突厥の親王、安欄をめぐってアシナのことを陥れようとしている
魏徴(ぎちょう) 宰相、山東一派の弟子
程将軍(ていしょうぐん) 処黙の父
雲老夫人(うんろうふじん) 雲燁の祖母
程処黙(ていしょぼく) 承乾・雲燁の友
長孫沖(ちょうそんちゅう) 承乾・雲燁の友、長孫無忌の息子
【あらすじ】
~雲燁の部屋~
安瀾の輿入れの行列を見ることなく、雲燁は一人部屋で考えている。
昨晩描いた安瀾の顔をじっと見つめ、今までの出来事を思い出す。雲燁は首飾りをギュッと握りしめた。
長安の山あいを一行が進んでいる。遠くで安瀾を呼ぶ声が聞こえ、徐々に近づいてくる。馬に乗って追いかけてくる雲燁だ。安瀾に追いついて、雲燁は陛下に輿入れを取り消してもらうよう願い出ると言う。ところが安瀾は、邪魔をしないでと拒否をした。
突厥に嫁いで欲しくない雲燁は 君が好きだ と安瀾に告白する。首飾りを雲燁が渡し、安瀾がそれを受け取る。
描いたのは小冉(しょうぜん)じゃなく君だ、好きなのも君だ。とはっきりとした言葉で雲燁が言った。安瀾は雲燁の言葉に涙がこぼれ、首飾りをギュッと握りしめ、二人は見つめ合った。
突然、アシナ親王が乗っている馬に向かって矢が放たれ、親王が落馬した。草むらから賊が次々に襲ってくる。その戦いのどさくさに紛れて雲燁と安瀾は馬に乗り逃げ去った。
~皇宮~
安瀾が行方不明になったと聞き陛下は心配して落ち着かない様子。アシナ親王と兵たちが永安門の外で、公主を渡せと騒いでいるとの知らせが入る。
公主を連れさったのは大唐だと思っているアシナが、脅しの声を上げている。一方陛下は、公主が行方不明になったのはアシナのせいだと思い非難する。双方一歩も引かない。
そこに残りの3親王も現れる。アシナが、途中で襲ってきたのは唐軍だ、これが証拠だ、と言って剣を見せる。雲燁男という使節が来たが、全部グルであろうとアシナが言う。
魏徴はまず公主を見つけるのが先決だという。唐軍の剣ではあるが、どこか腑に落ちない陛下は、親王達を寺で休ませろ、外に出すなと命じた。
陛下は雲燁がかかわっていることに驚き、承乾に雲燁を連れて来いと強い口調で命じた。
~山の中~
火も沈み暗闇の中で安瀾と雲燁の二人は、焚火を囲んでいる。質素な服に着替えた安瀾が、頼りないからあなたには嫁がないと言う。でも雲燁は、絶対に君を奪われたりしない、追手とも戦うと告げ、ハートの形に群がる蛍の群れを自分の心だと言って見せた。
とても幸せ、あなたが好き と言う安瀾。そんな彼女を抱きしめ、二人で森に隠れて暮らそうと雲燁が提案する。けれども安瀾は、私は大唐の公主だから戻らなければならない、勝手はできないと寂しそうに言う。安瀾の立場を考え、明日送るよ と言って雲燁は再び安瀾をギュッと抱きしめた。
~皇宮~
義徴は、寺にいる親王達は外出はせず寺にこもって居ると報告をする。程将軍は、ある将軍が軍刀を闇市で横流しして利益を得ていたことが分かった、と陛下に報告した。
承乾は雲燁をまだ見つけられないでいる。陛下は、もし二人が見つかった場合派遣している百騎司は戻せ、もし安瀾に何かあった場合は雲燁を連れてきて殺せと承乾に命じた。
百騎司が長安の町中にいた安瀾と雲燁を見つけ、二人は陛下の部屋に連れてこられた。
安瀾の無事を喜ぶ陛下。一体何が起こったのか陛下は雲燁に問い詰めたる。雲燁は、突然山間に伏兵が居て、皆を襲ってきたのだと説明。さらに安瀾は、雲燁が助けてくれたと伝えた。
陛下が安瀾に、突厥の輿入れは決まったことだと言うと、怪我を理由に断るべきだと雲燁が言う。もし襲撃が突厥の仕業であれば約束も無効だと主張した。
今、国庫はひっ迫・兵量も不足のため大唐の存亡が脅かされている。
雲燁は、軍需品も山東の飢饉もどちらも解決出来たら、安瀾を嫁がせなくても良いですか?と陛下に確認する。
雲燁はまず軍需品を7日で調達すると言って、陛下、承乾、安瀾の三人を驚かせる。雲燁は、もしそれができたら(名前は明かさなかったが)妻を娶りたい と願いでた。陛下は、唐突な申し出に驚くが、そなたに賭けてみようと承諾をした。
~雲燁の部屋~
老夫人は突然いなくなって連絡もなかった雲燁に、心配をかけて と怒っている。陛下から市場に出回っている突厥の宝について調査を命じられていたため、雲燁は祖母に、市場にあった突厥の宝のことを聞く。祖母が買っておいた宝を見せてもらうと、雲燁はその中の一つに突厥の親王が持っていた剣を発見し、ある疑惑が浮かんだ。
雲燁は濃度の異なるお酒をいくつか用意する。突厥の親王達とお酒を飲む際には、小さい数字の物を飲むように何度も処黙に注意した。
雲燁の作ったお酒を持って、承乾・泰・処黙・沖の四人と、突厥の親王四人でお酒を飲む。承乾は、安陽公主の件が親王と無関係であることが分かったため、お詫びとしてこのお酒を陛下から賜ったと嘘を言った。
公主は無事見つかった。姉上の話では、賊を振り切って逃げ味方と共に今長安に向かっていると。承乾はもうすぐ許嫁に会えるとアシナに希望を持たせ、皆で乾杯をした。
酒の飲み比べが始める。数が大きい方が古酒で美味しいと沖が嘘を言って、お酒の等級の高い方を親王にすすめる。親王達はかなり酔って、アシナとカシドは、黄金の狼頭(ろうとう)の話から喧嘩を始めてしまう。仲裁をした承乾はアシナを部屋から連れ出す。外で待っていた雲燁が祖母の買った剣をアシナに見せた。
あなたは彼らに命を狙われている とアシナに言う。あの日襲ってきた賊は、三人の親王達だ。カシドは持っていたこの宝剣を売って、襲撃の資金を得たのだ、と雲燁が明かした。
近く皇家が競売会を開催するから、親王達もぜひ参加してほしい。そこで誰が狼の野心を抱くものかが分かるとアシナに告げた。
雲燁は職人に命じて競売会に出すものを用意している。競売会の招待状は将軍や大臣の家に既に配られている。
【ポイント】
君が好きだ
ついに雲燁は安瀾に告白しました。やっと、小冉(しょうぜん)ではなく、安瀾を好きだと気づきましたね。ちょっと遅すぎ!と思う感もありますが、もうこのあたりからは『現代にかえりたい』という気持ちはなくなっているようです。
我喜欢你
雲燁は、安瀾がアシナに嫁いでいく途中で、
安瀾は、雲燁と逃げた山の中で、
それぞれ告白します。
短い文なのでどちらも聞き取ることができました。ちょっと嬉しいです。
突厥とはトルコ系の大遊牧民族の集まった国家 のことで、狼と縁が深い民族です。祖先は狼であった等、狼にまつわる逸話が色々あります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
以降も頑張って更新していきます。